自宅を出てバス停までの道すがら工事をしている人と目が合うと向こ
うからあいさつしてきた。
「おはようございます。ご迷惑おかけします」
「おはようございます。大変ですね」
と答え、今度はこちらから尋ねた。
「いつまでかかるんですか?」
「3週間です」
こんなやりとりがあり、いい気分になる。
バスに乗り込むとき思わず元気な声で運転手さんにも「おはようござ
います」とあいさつする。
職場に着いてもドアを開けるなり「おはよう」と明るく声をかける・
・・
このように一日の始まりである朝に元気なあいさつができれば、その
日は好スタートが切れて気分のよい一日が送ることができます。
伝える内容がないからおしゃべりしないというのではなく、コミュニ
ケーションは伝えること以外にも意味があると考えるべきです。
人は用事がなくても話しかけ、言葉を交わすものです。
タクシーに乗って目的地につくまで運転手さんと短い会話が楽しめれ
ば、お互いがいい気分になれます。
「黙っていないようにすることは、それ自体コトバの重要な機能である」
S・I・ハヤカワ
人間は本来孤独な存在です。
孤独から抜け出し、人との交わりをつくるのが挨拶の重要な機能です。
ところが、人々は忙しくなり、達成しなければならない課題が多く
なりすぎて、いつの間にか挨拶しなくなりました。
その結果、机に座り、メールのチェックはするけれど目の前の同僚と
話しかけることもしない。そういう職場が増えています。
エレベータで乗り合わせてこちらが挨拶しても知らん顔の人がいたり
します。
たぶん、課題山積でほかの人のことなどかまっていられないのでしょ
う。
今の世の中、声をかけたら「嫌な顔された」「攻撃された」「無視さ
れた」ということもあり得るのです。家庭では子どもに知らないおじさ
んに声をかけられたら無視しなさいと教える。本当にそれでよいのでし
ょうか。
みんなが自分の殻に閉じこもれば、よい人も危険な人も見分けが付か
なくなります。
いよいよこわくて街も歩けなくなるのではないでしょうか。
フレンドリーな態度で人と接しつつ、相手を見極める知恵が必要なの
です。
大人がそうした力を磨かなければ子どもに教えることもできません。
子どもに「あいさつぐらいしなさい」と強要するまえに、「○○君、
なんて言うんだっけ?」と気づかせるようにしてください。
「ありがとうでしょ!」ではなく、
「あれ、なんて言うんだっけ?」の方が効果的です。
職場でも同じです。
「いつまでかかっているんだ!」ではなく、
「会議の準備、どうなっている?」と尋ねるようにしてください。
【本日の参考図書】
子どもは「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス アステ新書)
福田 健 価格:¥ 840(㈱経済界 2009.3.9)
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