二代目社長は決して幸せではありません。
政治家の子どもが続けて総理大臣のポストを投げ出したことから
政治家の「世襲」の是非が問われているところですが、好きでなった
人ばかりではなく、親の会社を引き継いだばかりに夜も寝むれないくら
い悶々として、なかには体をこわして入院した人もいます。
kougaiはある若手経営者の勉強会に出席したのですが、私がついた
ディスカッションのテーブルは、7人中4人の方が中小企業の2代目
社長でした。
親の財産を引き継いで何の苦労もなく社長になれたわけですから、
はためには幸せに映るのですが、実際はそうではなく、4人が4人
とも、会社を引き継いだばかりに自分の代で会社を潰してはならないと
朝から夜まで会社のことばかり頭から離れず、その中の1人は胃を壊し
て3ヶ月も入院したということでした。
彼らは若いうちに社長になれたからといって決して幸せではなさそう
です。
「古参の社員は表面では若社長に従っても、大事なことは先代に聞きに
行くんです」
「新しい経営手法を取り入れようとしても先代の父親は決して許して
くれません。このまま旧態依然の経営手法では会社は長く持たない
と意見すると、どうせ自分一代で築いた会社だからゼロになって
元々だと居直ってしまうのです」
実の親子なのでどうしても感情的になってしまうと、みなさんこぼし
ていました。
1人の若社長があきらめムードで今は「はい、はい」と応えていると
おっしゃっていました。
実は、kougaiは人を介して地元のある小さな金属加工業が銀行の貸し
はがしに遭いそうだという相談を受けています。
この町工場の親父さん社長も技能一本で会社を立ち上げた昔気質の人
で、技術力を誇りにしており、仕事もグローバル企業から直接注文を
受けていることが自慢の人でした。
ところが、経営者としてのセンスがまるでない方で、小さな仕事に
全然手を出さずに販路を拡大しなかったことがわざわいして、今回の
世界的な経済危機により受注がどっと減り、昨年の秋に借りたセーフ
ティネット資金の償還さえままらない状況です。
このままでは会社が立ちゆかなくなるのは時間の問題です。
こういう場合、会社は一度精算して、親父さんには経営から離れて
もらい、技術力を引き継ぐ形で後継者に新社長になってもらうという
手が考えられるのですが、残念なことに子どもも中学卒業とともに技術
力だけを教え込まれたお父さんのコピーのような方でした。
銀行としても安心して任せられないようです。
さきほどの経営者の集まりでそのことを思い出し、父親とはケンカ
してもいいからとことん意見を交わすべきだと話したところです。
サラリーマンはウイークデーは死ぬように忙しいかもしれないけれど
週末は休めます。でも社長は社員とその家族を路頭に迷わせてはいけ
ないと四六時中会社のことを考えていないといけません。
二代目社長は親から引き継いだものが原点で、それを維持しなければ
いけないという思いが強く、なかなかリスクがとれないともこぼして
いました。その点、先代は心のどこかに全部失っても原点に戻るだけだ
というような強さがあると言ってました。
何にしても、「経営は人」ですから、親を乗り越えないことには先は
見えないと思います。
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